ARCジャパンフォーラム2019が参加者募集を開始

Submitted by Shin Kai on

 

ARC は第21回ARC ジャパンフォーラムを、来る7月9日(火)に東京・両国KFC ホールで開催する。昨年まで長く国内ではARC 東京フォーラムの名称を冠していて、国内業界では定着していたが、今年からこれをARC ジャパンフォーラムに改めた。実は昨年までも海外では英文のオフィシャルサイトでの名称をARC Japan Forum としていた。このため21回目の開催からこの、いわば国際標準に準じることにした。

さて、本年のテーマは「産業とシティにおけるデジタル変革を推進」(Driving Digital Transformation in Industry and Cities) である。 業界は、もののインターネット(IoT)から、産業用IoT(IIoT)、ビッグデータと分析機能、インダストリ4.0、コネクテッド・インダストリー、クラウドとエッジなどの新概念、新技術要素を取込みながら、昨今では米国でも欧州でもこれらの包括的な概念としてデジタル・トランスフォーメーション(デジタル変革)をキーワードに製造業事業の近未来の方向性を議論している。

デジタル変革

確かに、デジタル変革の波が、製造業の日常の業務の改革から新事業モデルの生成まで様々な領域で浸透し始めている。この機運をとらえ、今回の基調講演では、三菱ケミカルの生産技術部で、全社規模のデジタル変革(DX)推進の先頭に立つDX グループ推進マネージャの青山貴征氏にご登壇いただき、同社のデジタル変革の取組の具体的な歩みをご紹介いただく。日本の製造業企業でも、デジタライゼーションを活用した全社的な革新運動の推進役となることを期待して、各社各様にこれに類する専門組織を設けはじめている。今回の三菱ケミカルのご発表が、それぞれの同類部門間の情報交流のきっかけとなれば幸いである。

また、もう一人の基調講演者として、ARC アドバイザリグループ 欧州統括ゼネラルマネージャのウヴェ・グルンドマン(Uwe Grundmann)が登壇する。ウヴェは、欧州オートメ―ション市場で進むデジタル変革にスポットを当て、この変革を突き動かしているグローバルな動向を概観する予定である。欧州ARC グループは、5月20~22日にバルセロナ近郊でARC 欧州フォーラムを開催したが、その成果をもとに発表を構成する。話題としては、OPC UA とTSN (タイム・センシティブ・ネットワーク)の連携、5G 通信、 更にブロックチェーン技術も含む、ネットワーキング及び通信技術の新たな展開が注目される。加えて、彼の発表では、製造プロセスにおける将来のオートメーション技術に関連して、欧州オープン・プロセス・オートメーション(OPA)の取組みや、欧州の化学ユーザ企業を中核とするNAMUR によるモジュラープラント、モジュラー製造に関する取組みの最新動向をご紹介する予定である。

2019年の注目技術とソリューション

またこのほかのセッションでは、今年の注目技術とソリューションに関連する発表が揃う。先に、このコラムでもご紹介したように、ARC は昨年末に2019年の世界のオートメーション業界注目技術トップ5を発表した。これらは、

● 技術・技能知継承を支援する拡張現実(AR)の幅広い浸透

● 運転訓練、シミュレーションのための仮想現実(VR)の活用増

● クラウドとエッジコンピューティングを組み合わせたソリューション展開の増加

● IT/OT サイバーセキュリティの融合

● プラント、設備へのデジタルツイン技術の適用
 

であるが、まずAR/VR の活用に関連して、ウェアラブル端末の現場での活用を日本ハネウェルが発表する予定である。またクラウドとエッジの組合せでは、セキュアな産業クラウド接続によるIoT サービスの実現をスカイネット (Skkynet)が日本における具体的事例を紹介する。IIoT で収集したデータをどのように実用的な情報に変えるかに関して、多面的な領域でAI の活用が注目を集めているが、これに関連して、横河マニュファクチャリングが次世代スマートファクトリの取組み事例を、また三菱電機が製造におけるAI 活用事例を紹介する予定である。

ARC フォーラムでは例年、サイバーセキュリティを巡る話題とソリューションの紹介をコネクテッド環境の必須要件として取り上げているが、今回はIT/OT サイバーセキュリティの融合に関連して、標準化の観点から安全計装システムとサイバーセキュリティ連携を巡る最近の議論を紹介する。さらに製造業の現場で活用可能となった具体的ソリューションとしてトレンドマイクロが、OT 環境にフォーカスしたサイバーセキュリティ対策の提案を予定している。また、プラント、設備へのデジタルツイン技術の適用という技術動向に関しては、ベントレー・システムズがデジタルツインの生成、管理、活用に関して議論する予定である。

このように、今年の注目技術を網羅するほかに、さらに近未来に製造業における実用化が期待されているブロックチェーン技術に関して、専門家による特別講演を予定している。

今年も日本の幅広いオートメーション、インフラ業界の方々からのご参加を期待している。本プログラムの最新で詳細情報は下記URLの「ARCジャパンフォーラムページ」をご参照いただきたい。
 

https://www.arcweb.com/arc-japan/arc-industry-forum-tokyo