Collaborative Process Automation System (CPAS) Concept:協働プロセスオートメーションシステム(CPAS)コンセプト

将来の分散制御システム(DCS)へ向けたARCビジョン

今日のプロセス産業におけるオーナー/オペレータは、以前にも増して、総資産利益(ROA)を最大にさせビジネス優位を実現すると共に多くの行政規制を遵守してゆくために必要なコストや努力を削減可能なオートメーションシステムを求めています。協働プロセスオートメーションシステム(CPAS)は、将来のプロセスコントロールシステムに対するARCのビジョンです。ARCはCPASコンセプトを2002年に紹介しました。これは複数の大手ユーザー顧客からの求めに応じたものです。彼らは、当時の分散制御システム(DCS)が変化進展するビジネス要求を満たして行けるか否かその機能の評価に悩んでいました。この進展するプロセスオートメーション要求を満たすため、ARCアナリストは、先ず、ビション開発のためのガイド指針を策定しました。この指針に沿って、機能要求、アーキテクチャー、技術選択を創出しました。このビジョン開発に使用された幾つかのガイド指針を以下に記します:

Return on Assets (ROA):総資産利益

プロセスオートメーションは、プロセスプラントのライフサイクルに渡って非常に高いROAを導き出すポテンシャルを持っているとARCは信じています。しかしながら、殆どのユーザーは、継続した改善や関連する経済的なゲインを実現するよりも、むしろ、技術的に新しく総合所有コスト(TCO)の低いプロセスオートメーションシステムを購入します。残念ながら、オートメーション選択はプロジェクトに依存する面が強く、ROA実現に対するプロセスオートメーションシステムの真の貢献に関する評価には目を瞑る傾向があります。これは、プロジェクトがこの貢献が顕在化する前に終了し、プロセスオートメーションによって実現されるベネフィットが総合的なプロジェクトROAに顕在化するに至らないためです。投資効果(ROI)フィードバックメカニズムやビジネスと製造システム間のパフォーマンスを計測する共通の基盤が無く、更に問題を複雑にします。

Operational Excellenceオペレーショナルエクセレンス (OpX)への競争cpas-model-225px.jpg

オペレーショナルエクセレンスはROAに向けた最初のレイヤーです。オペレーショナルエクセレンスは、より効率的な作業やコスト削減など少ない資源で多くの成果を引き出すことに注力し、計測可能なパフォーマンス改善を提供します。OpXは、より多くの人々がより正しい決定をすることによって得られます。このOpXの継続した改善方法が、OpXは継続したプロセスであると言うコンセプトを補強します。

Effectiveness, Agility, and Visualization 有効性、敏捷性及び可視化

有効性、敏捷性及びパフォーマンスの可視化はオペレーショナルエクセレンスのキーです。 有効性と敏捷性は欠陥の無いオペレーションの原理を支えます。調査によれば、殆どのプロセスプラントのパフォーマンスレベルは平均的に4σ以下です。

Automate and Empower 自動化とワーカーのパワーアップ

自動化すべきものを全て自動化することにより、マニュアルタスクが常にベストプラクティスベースで実行されるようにすることができます。自動化によりワーカーのパワーアップに時間を割くことができ、この知識を持ったワーカーが更に付加価値の高い機能に従事する機会を提供します。

Automation Asset Management オートメーション資産管理

CPASは標準をベースにしているのでサプライヤー混在環境を可能にし、それぞれが独自の構成やシステム管理環境を持ったアプリケーションを持つことができます。伝統的に、DCS/PASはそれぞれ独自システム及び構築管理環境を採用していました。CPASはオープンプラットフォームとサプライヤー混在環境を提供します。この環境において、各アプリケーションはそれぞれ独自のシステムと構築環境を維持しますが、構築管理とシステムヘルスのための統一されたオートメーション資産管理システムがその複数のシステムと構築に関する違いに対処します。構築環境には、システム内の全てのアプリケーションとデバイスに関する追跡監査、優先アクセス、フェールセーフ構築が含まれます。最終的には、この機能は先進アプリケーション実行機能としてオペレーティングシステムの一部となります。

Data Certainty and Traceability データ確実性とトレーサビリティ

データと情報はCPASの血流です。しかしながら、どの時点においても、システムにおけるフィールド機器の信号の10%までは種々の理由で不正確の可能性があります。それ故、このデータが品質タグと関連付いていることが重要です。依存変数データも品質タグを持つべきです。規制産業では、製品組成が製造プロセスにおいてトレース可能であることが求められます。それ故、CPASも、また、トレーサビリティ機能を持っています。