オムロン、温度パラメータ調整を生産現場向けAI で自動化する温調器を発売

Submitted by Shin Kai on

 

オムロンはこのほど、生産現場においてこれまで熟練の作業者が生産品目や材料配合の変更に応じて経験と勘により行ってきたヒーター等の温度パラメータ調整を、AI で自動化する温度調節器E5CD/E5ED を2017年4月3日に発売すると発表した。またこれと併せて包装機用温度センサも発売する。

近年、生産現場では、製品の多品種化によりモノづくりが複雑化する一方、新興国への生産移管が進み、作業者の技能不足に起因する不良発生や生産性の低下が課題になってきている。とりわけ成形工程や包装工程では、生産品目の変更ごとに行うべき調整ができず、温度に起因する品質低下を避けるために、装置の運転速度を落としたり、検査にかける工数を増やすなどで生産性を犠牲にする事態も発生している。

新製品の温調器には、オムロンが長年培った温度制御のノウハウを組込み、業界初となる「適応制御技術」をはじめ、成形機向けのアルゴリズム「水冷出力調整機能」や、新開発の表面温度センサと連動する包装機向けのアルゴリズム「自動フィルタ調整機能」を搭載した。これらにより、ヒーターの起動に合せて常に最適な値にパラメータを自動更新するなど、人手による調整作業を不要にしながら、各種装置の高速運転を実現し、生産性を低下させることなく、品質の維持・向上に貢献する、という。